フランス人の義理の伯母 93歳
彼の伯母は、93歳です。
この伯母、去年の秋まで働いていたから驚きです。
ナントのど真ん中、スノッブなエリアで、今でも1人暮らしです。
正真正銘のマドモアゼル。(未婚女性の敬称)
元々、この伯母、フランス人の中でも、かなり癖のある人。
ナントの総合病院へ入院した時 、「気難しいので、取り扱い要注意人物」としてあがっていたくらい。
私も、この伯母に初めて会ったとき、かなりびびってしまいました。
だって、優しい雰囲気なんて、微塵も感じない人だったから。
そして、会って数回目、玄関外までお見送りをした際、伯母は彼に「あの子、わざわざ、お見送りしてくれていい子だね。でも、何で日本人なの?」と。
やれやれ。
こんな伯母と少しだけ距離が縮まったのは、去年、伯母が入院した時。
お見舞いへ行き、爪を切ってあげたり、身の回りのお世話をしました。
一旦、心を開くと、とても優しいです。そして、思いのまま、物を言ってしまいます。度々、毒も吐いています。
時に、暴君ぶりを容赦なく発揮するので、免疫がない人は、たじろいでしまいます。
私も、やっと、ここにきて免疫が付きました。
そして、生粋のアルコール好き。流石に、最近は、アルコールの摂取を控えているようですが、毎日晩酌していたようです。
この間、彼がルバーブのタルトを作ったので、自家製の杏のジャムと一緒に、持って行ってあげたところ、
彼「ルバーブのタルトどうだった?」
伯母「うん、美味しくなかった。だって、私、あまり甘い物、好きじゃないから。朝食で頂く杏のジャムは、とても美味しかったわ。」
1番可愛がっている甥っ子の彼にでさえ、忖度ないです。
全くブレない。
ちなみに、同じ姉弟でも、義理の父には、ルバーブのタルトは好評でした。
伯母は、唯一好んで食べる甘い物は、ラム酒が強く効いたケーキです。
流石、アルコール好きなだけはある。
今年の初め、義理の伯母と父と4人で食事した際、このような会話も繰り広げられました。
伯母「貴方達が教会で結婚式を挙げるなら、私は必ず行くわ。でも、普通の結婚式(市役所で婚姻届を出す式)だったら、行かない。勿論、お祝いはさせていただくけど」
徹底してるなぁ〜。笑
また、自分のお葬式についてもこう話します。
「特に、教会へのこだわりはないけれど、必ず神父(curé)さんがいる教会でやってね。(prêtre)じゃなく。
だって、ニコル(彼の母)の時、神父さんじゃなかったから、あまり良くなかったわ」と。
知識に乏しい私は、ここで初めて «curé»と«prêtre»の違いを知りました。
やっぱり、1世紀弱生きている人とお話すると、勉強になるー。
そして、強靭で自由奔放な伯母でさえ、 "老い"は流石に辛いようです。
人に頼らず自立しているからこそ、人に頼らなければならなくなった歯がゆさがあるようです。
さて、観光名所になっているナントのブラッスリー «ラ シガール»です。
お食事は…。
お茶するには、いいかも(^^)
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